時々ひどく落ち込むことがあります。
そんな時、いつも励まされる言葉があるのです。
それは、「今いるところから始めるしかない」という言葉。
僕は40歳になった時、初めて作曲家になろうと思いました。
それは本当に突然でした。
「あ、作曲家になろう」って思いついたのです。
学生の時、アマチュアバンドを組んでいました。
曲も作っていました。
でも作曲家になろうとは思いませんでした。
自信もなかったし、実力もなかったからです。
大学卒業後、何も考えず、当然のように就職してしまいました。
世の中や世間の流れに流されたのです。
そして、音楽を自然に辞めてしまいます。
それから約20年。
随分とまあ流れに流されたものです……。
我ながら呆れてしまいます。
何を今さら音楽なのでしょうか。
それならもっと若い時に目指せばよかったのにと思います。
独身時代なら自分の時間がもっとあったし、音楽に時間やエネルギーを費やすことができたはずです。
よくこんな会話をします。
「作曲家になろうと思ってるんです」
「へーそれは素敵ですね」
「いつから目指されているんですか」
「つい最近です……」
「……」
もう嫌だ。
いつもこんな感じなのです。
私から夢を聞かされた相手は困ったことでしょう。
この人は現状から逃げ出したいだけなのだと。
実を言うと、僕もそうなんじゃないかといつも疑っているのです。
本当に本当にやりたいことなの?って。
そんな僕は、この言葉にいつも励まされるのです。
「今いるところから始めるしかない」
そうなのです。
今いるところからスタートするしかないのです。
だから40歳からスタートしたって構わないのです。
ただ、作曲家になるという曖昧な願望から、
想像を膨らませて肉付けをしていく必要があるのです。
作曲家になってどんなことをしたいのでしょうか。
作曲家になってどんな未来にするつもりがあるのでしょうか。
たくさん想像できるようになっている頃、僕の願望はもっと具体的なものになり、僕の思考はもっと明確になっているでしょうか。