「原稿用紙10枚を書く力」齋藤孝(著)

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今まで多くの文章術の本を読んできたが、文章を書くということを根本から考えさせられる本だった。
ブログを書いていると、いつかは出版したいなどと淡い期待をもってしまう。そんな期待を弾き飛ばされてしまう本でもあった。
シンガーソングライターを目指している僕の視点で、記事を書いてみたいと思う。

言いたいことを過不足なく表現しながら、凡庸に陥らない一文を、最初につくりあげることができれば、読む人の気持をつかみ、先を読みたいという気持ちにさせることができる。

「原稿用紙10枚を書く力」齋藤孝(著)

音楽でも同じようなことがいえる。歌詞がとても重要であるが、聴く人の気持ちをつかむメロディを作りたいと心から思う。だから自分の声から出たワンフレーズを頼りに、音符と向き合っている。

文章の質というのは、読書体験や人生経験、才能などを含めたその人の総合力にかかってくる。急には上げられないし、急には変えられない。質を上げてから量に向かうのではなく、量をこなすことで質を上げると考えよう。

「原稿用紙10枚を書く力」齋藤孝(著)

音楽もどれだけ上質な音楽を聴いてきたかが重要だ。どんな音楽環境で育ったのか、どんな音楽教育を受けてきたのか。でもそれを今更言っても始まらないしどうしようもない。音楽エリートでないのなら、ここからどんな上質な音楽を聴いていくかでしか勝負できない。もちろんアドバイスを素直に受けて入れていく心が必要だ。
そして聴き方も大事だ。音楽は気分をよくするために聴くものだったりするが、作曲が前提だと、自分のアウトプットのために聴いていく。だから耳コピが大切なのだろう。

文章の中に、読み手に何らかの「気づき」を与えるものがなくては、読む意味もない。

「原稿用紙10枚を書く力」齋藤孝(著)

ブログを書いている自分にとって痛い一文だった。読むという行為は相当なストレスだという。そのストレスをかけてまで読む価値があるブログを書いているのか。
音楽は聴く分には文を読むほどのストレスはかからない。それでも、何度も聴く価値のある音楽を作るとなると相当ハードルが上がる。だからこそ人生をかけて挑む価値があるし、楽しい。

文章を書くことと、曲を作ることには共通することが多い。
どちらも読む人、聴く人に感動してもらう作品を作るのが目的なのだから当然といえば当然か。
本書を読んでブログ更新のハードルが上がった気がするが、書けなくなったら本末転倒なので、そこはバランスをとっていこうと思う。

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